今すぐ知りたい!舌下免疫療法にかかる費用はどれくらい?(初回・月額・トータルコスト)

スギ花粉症・ダニアレルギーの根本治療として注目される舌下免疫療法ですが、長期間の通院を要するため、費用に不安を感じる方は多くいます。この記事では、舌下免疫療法の1回あたりの通院費用から、3年から5年継続した際のトータルコストまで、具体的な金額相場を整理します。治療を始めるための判断材料としてご活用ください。

舌下免疫療法の費用構造を基本から解説します

舌下免疫療法の費用は、①初回のアレルギー検査・初診にかかる費用と、②毎月発生する維持期の費用の2段階で構成されます。
舌下免疫療法は健康保険が適用されるため、一般的な3割負担のケースで概算をつかむと、今後の見通しが立ちやすくなります。
また、当院は院内処方のため、1回の会計で診察料・薬代がまとめて完結します。ここからは治療に関わる費用について詳しく解説します。

初回に必要な費用:アレルギー検査・初診料の目安

初回受診では、確定診断のためのアレルギー血液検査と初診料が発生します。3割負担での窓口負担は以下のとおりです。

検査内容 初診時(3割負担)
血液検査(アレルギー15項目+IgE) 5,630円
診察・処方(27日処方) 3,090円
合計 8,720円

※別途、初診料がかかります。

※夜間早朝加算(150円)を含む

※過去1年以内に他院で受けた血液検査データを持参いただければ、血液検査不要となる場合があります。その場合、初診時の窓口負担は診察・処方料のみとなります。

ただし、過去1年以内に他院で受けた血液検査(アレルギー検査)のデータを持参すれば、再検査の費用を省けます。
手元にデータがある場合は、忘れずに持参して初期負担を抑えましょう。

維持期(定期通院)の月額費用の構成:診察料・薬代

維持期に入ると、1ヶ月または2ヶ月に1回の通院で治療を継続します。当院は院内処方かつオンライン診療にも対応しており、定期通院に関わる費用は以下の通りです。

◆スギ花粉 舌下免疫療法(シダキュア)

処方日数 オンライン診療 対面診療
30日処方 2,900円 2,140円
60日処方 4,750円 3,490円

※オンライン診療・30日処方の2,900円には配送・オンライン診療加算1,000円を含む

※オンライン診療・60日処方の4,750円には配送・オンライン診療加算1,500円を含む

※夜間早朝加算(150円)を含む

◆ダニアレルギー 舌下免疫療法(ミティキュア)

処方日数 オンライン診療 対面診療
30日処方 3,350円 2,590円
60日処方 5,650円 4,390円

※オンライン診療・30日処方の3,350円には配送・オンライン診療加算1,000円を含む

※オンライン診療・60日処方の5,650円には配送・オンライン診療加算1,500円を含む

※夜間早朝加算(150円)を含む

自己負担割合ごとの費用

舌下免疫療法の費用は、対象年齢や加入する健康保険の自己負担割合によって実際に支払う金額が大きく変わります。
一般的な成人の方であれば自己負担割合は3割となり、診察代や薬代を合わせて月額数千円程度の支払いが発生します。

3割負担の場合の費用相場

一般的な成人(3割負担)の場合、初回の窓口負担は血液検査込みで約8,000〜9,000円です。2ヶ月目以降の維持期は、スギ花粉(シダキュア処方)が30日処方で月額2,140円、ダニアレルギー(ミティキュア処方)は2,590円が目安となります。
※対面30日処方の場合

当クリニックでは維持期にはオンライン診療且つ60日処方を利用する方が多く、その場合、スギ花粉(シダキュア処方)が4,750円、ダニアレルギー(ミティキュア処方)は5,650円が目安となります。

スギ花粉用かダニアレルギー用かで薬価にわずかな差は生じますが、月々の負担額が大きく変動することはありません。処方は最大60日分まで処方できるため、60日分処方を利用すれば通院頻度だけでなく費用も抑えることができます。

1~2割負担の場合と軽減制度

70歳以上の方などに適用される1〜2割負担では、維持期の治療費用はさらに低くなります。また、自治体によってはひとり親家庭や障害者向けの医療費助成制度が利用できる場合があります。お住まいの市区町村の窓口で適用条件をご確認ください。

治療期間別のトータルコストを把握する

舌下免疫療法はアレルギー体質を改善するために、長期間の継続が求められる治療です。
診療ガイドラインでは最低3年間、可能であれば5年間の継続が推奨されています。月々の負担額だけでなく、数年単位のトータルコストを事前に把握しておくことが大切です。
以下は、当院の料金をもとに算出したシミュレーションです。

◆スギ花粉(シダキュア)の場合

治療期間 30日処方(月1回通院) 60日処方(2ヶ月1回通院)
対面 オンライン 対面 オンライン
3年間(36ヶ月) 約83,000円約109,000円約71,000円約93,000円
4年間(48ヶ月) 約109,000円約144,000円約92,000円約122,000円
5年間(60ヶ月) 約134,000円約179,000円約113,000円約150,000円

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※初診時合計7,940円(血液検査4,850円+診察・処方27日分3,090円)+維持期の合計で算出(3割負担)

※夜間早朝加算(150円)を含む

※オンライン診療費にはオンライン診療加算・配送料を含む

※上記はあくまでも目安費用です。通院頻度や処方内容、症状の経過によって実際の費用は異なる場合があります。詳しくは受診時に医師またはスタッフへご確認ください。

◆ダニアレルギー(ミティキュア)の場合

治療期間 30日処方(月1回通院) 60日処方(2ヶ月1回通院)
対面 オンライン 対面 オンライン
3年間(36ヶ月) 約99,000円約125,000円約87,000円約110,000円
4年間(48ヶ月) 約130,000円約166,000円約114,000円約144,000円
5年間(60ヶ月) 約161,000円約206,000円約140,000円約178,000円

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※初診時合計8,240円(血液検査4,850円+診察・処方27日分3,390円)+維持期の合計で算出(3割負担)

※夜間早朝加算(150円)を含む

※オンライン診療費にはオンライン診療加算・配送料を含む

※上記はあくまでも目安費用です。通院頻度や処方内容、症状の経過によって実際の費用は異なる場合があります。詳しくは受診時に医師またはスタッフへご確認ください。

総額を見るとまとまった出費に感じますが、月額に換算すればスギ花粉で約2,300円~3,000円、ダニアレルギーで約2,700円~3,500円に収まる計算です。
長年にわたり対症療法の薬を買い続ける費用と比較し、長期的な視点で治療を開始するかどうかを検討しましょう。

スギ花粉症の対症療法との費用比較

毎年花粉の飛散時期に薬を処方する対症療法は、根本的な治療ではないため長期間付き合っていく必要があります。
例えば、1シーズンあたり約1万円の費用がかかる場合、30年間継続すると累計で30万円ほどの出費が想定されます。

一方の舌下免疫療法は、一生続ける治療法ではないため、治療期間として推奨されている3年から5年の治療期間で約7万円~15万円程度※の総額費用がかかります。
※診療形式・1回あたりの処方日数によって異なります。
※舌下免疫療法の治療終了後も一定期間の効果持続が期待できますが、症状が再発する場合もあります。効果の持続には個人差があります。


総額費用としては大きく感じられるかもしれませんが、舌下免疫療法は根本的な体質改善を目指す治療法のため、治療終了後は薬代が大幅に削減されるケースが報告されています。

治療法 年間費用目安 10年累計 20年累計
花粉症対症療法 約1万円 約10万円 約20万円
舌下免疫療法 約3万円 約15万円※ 約15万円※

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※舌下免疫療法はシダキュア5年・オンライン60日処方の場合の目安費用(3割負担)

※舌下免疫療法の「10年・20年累計」は治療終了後に維持効果が続いた場合の試算。治療効果の継続には個人差があります。

何十年にもわたって対症療法の薬を買い続ける状況と比較すると、生涯のトータルコストを抑えられる点が舌下免疫療法の大きな利点になります。
アレルギー症状の根本改善を目指せるだけでなく、将来的な負担を軽減する選択肢としても検討してみてはいかがでしょうか。

お子さま向けの費用負担と助成のポイント

舌下免疫療法は5歳以上のお子さまであれば健康保険を利用して治療が受けられます。ここではお子さま向けの費用負担や助成のポイントについて紹介します。
※当クリニックでは診療体制上、治療開始は12歳以上の方を対象としておりますが、他院で治療を開始された12歳未満のお子さまの転院はお受けしております。

小児医療費助成制度の適用と費用軽減の具体例

お子さまが舌下免疫療法を受ける場合、お住まいの自治体の小児医療費助成制度を活用できます。東京都のように高校生世代まで自己負担が実質0円になる地域では、3〜5年にわたる治療でも家計への影響をほぼゼロに抑えられます。
まずはお住まいの市区町村の窓口または公式ウェブサイトで最新の適用条件をご確認ください。

医療費控除や通院頻度が費用に与える影響

舌下免疫療法の治療費は、医療費控除の対象となります。
1年間(1月1日から12月31日)の世帯医療費が合計10万円を超える場合、確定申告により税金の還付を受けることができます。
診察料や薬代に加えて、通院時の公共交通機関の運賃も控除に含めることが可能です。日々の領収書は捨てずに保管し、申告の手続きに備えましょう。

医療費控除の対象となる費用項目と還付の仕組み

舌下免疫療法の診察料・薬代・初回の血液検査費は、治療目的とみなされるため医療費控除の対象となります。生計を同じくする家族の年間医療費が合計10万円を超えた場合、確定申告を行うことで所得税の一部が還付されます。確定申告は過去5年間に遡って申告が可能なため(更正の請求)、医療機関の領収書と交通費の記録は保管しておきましょう。詳しくはお住いの地域の税務署へご確認ください。

通院頻度の調整による費用節約の視点

当院では維持期に入ると、症状が安定している場合に60日分の長期処方も対応しています。60日処方を活用すると通院頻度が2ヶ月に1回となり、通院に関わる費用も抑えることができます。さらに、オンライン診療を活用すれば来院の交通費・時間コストもゼロにすることができます。自宅にお薬が届くため、お近くの薬局へ行く必要もございません。ライフスタイルに合わせてオンライン診療も取り入れてみましょう。

まとめ

舌下免疫療法にかかる費用を総合的に把握し、ご自身の状況に合わせた治療計画を立てましょう。
初診時には血液検査を行う場合がありますので、初診時は3割負担で約8,000円~9,000円程度の費用が掛かります。
その後、維持期に入ると診察料と薬代を合わせて月約2,000円~3,500円の自己負担額で治療を受けることができます。

舌下免疫療法の効果を実感させるためには、3年から5年間の継続が推奨されています。
トータルコストの目安は、スギ花粉(シダキュア)の場合、3年間で約7~11万円、5年間で約11~18万円。ダニアレルギー(ミティキュア)の場合、3年間で約9~13万円、5年間で約14~21万円となります。

治療効果が継続した場合、寛解した後の薬代は不要になります。毎年繰り返す対症療法の累計費用と比較すると、長期的なコストパフォーマンスは明らかに優れています。何より、毎年のつらいスギ花粉症で悩まなくなることに期待ができます。
総額と月々の費用を正しく把握したうえで、医師とご相談しながら治療を進めましょう。

参考文献

  1. PMDA 医療用医薬品情報「シダキュアスギ花粉舌下錠2,000JAU/シダキュアスギ花粉舌下錠5,000JAU
  2. 鳥居薬品「アレルギーとは?
  3. 日本アレルギー学会「アレルゲン免疫療法ガイドライン
  4. 鳥居薬品「舌下免疫療法薬 適正使用について
  5. 政府広報オンライン「政府の花粉症対策

コラム監修者

略歴

  • 長崎大学病院 第一内科(内分泌代謝班)
  • 長崎大学大学院 医歯薬学総合研究科 博士号取得
  • 長崎大学大学院 医歯薬学総合研究科 地域包括ケア教育
  • センター 助教
  • 長崎大学保健センター 助教
    (長崎大学病院専属産業医)
  • Dクリニック東京ウェルネス
    (長崎大学 保健センター客員研究員)

認定資格

  • 日本内科学会 総合内科専門医
  • 日本内分泌代謝内科 専門医
  • 日本糖尿病学会 専門医
  • 日本甲状腺学会 専門医
  • 日本医師会認定産業医
  • 臨床研修指導医