禁煙治療は保険適用される?条件・費用・治療の流れをわかりやすく解説
「禁煙したいけれど、一人ではなかなか続かない」——そんな方の選択肢のひとつが、医療機関で受けられる禁煙治療です。実は、一定の条件を満たせば健康保険を使って治療を受けることができます。今回は、保険が適用される条件や費用の目安、治療の流れについて解説します。
禁煙治療に保険が適用される4つの条件
禁煙治療(禁煙外来)は、以下の条件をすべて満たした場合に健康保険の対象となります。
- ニコチン依存度判定テスト(TDS)で5点以上
10項目の質問により、ニコチン依存症かどうかを判定する検査です。5点以上でニコチン依存症と診断されます。 - ブリンクマン指数が200以上(35歳以上の方のみ)
「1日の喫煙本数 × 喫煙年数」で算出される指数です。たとえば1日20本を15年間吸っている場合は「20×15=300」となります。なお、35歳未満の方はこの条件が免除されており、喫煙本数や喫煙年数に関係なく保険治療の対象となります。 - 直ちに禁煙を開始する意思があること
「そのうちやめたい」ではなく、今すぐ禁煙に取り組む意思があることが前提です。 - 治療内容について文書による同意があること
医師から治療方針の説明を受け、同意書に署名することが必要です。
このほか、過去1年以内に健康保険を使った禁煙治療を受けていないことも実務上の条件となります(前回の治療開始日から1年以上経過している必要があります)。
条件のいずれかを満たさない場合は、保険適用外となり自由診療(全額自己負担)での治療となりますが、保険が使えない場合でも禁煙治療そのものを受けることは可能です。
加熱式たばこのみの方も対象

紙巻きたばこを吸っていない、IQOS・glo・Ploomなどの加熱式たばこのみを使用している方も、上記の条件を満たせば保険適用の対象です。
治療の流れ

標準的な禁煙治療は、12週間で計5回の通院が基本です。この期間・回数を超えると保険適用外となるため、決められたスケジュールでの通院が重要になります。各回の内容は以下の通りです。
| 通院回 | 目安の時期 | 診療形態 | 主な内容 |
|---|---|---|---|
| 初診 (1回目) |
治療開始日 | 対面 | TDS・ブリンクマン指数による保険適用の判定/問診・診察/呼気一酸化炭素濃度の測定/禁煙開始日の決定・禁煙宣言/禁煙補助薬の選択と処方 |
| 2回目 | 初診から2週間後 | オンライン /対面 |
禁煙状況の確認(問診)/呼気一酸化炭素濃度の測定/離脱症状(イライラ・集中力低下等)の確認/禁煙補助薬の追加処方 |
| 3回目 | 初診から4週間後 | オンライン /対面 |
2回目と同様の測定・問診/禁煙継続のためのアドバイス |
| 4回目 | 初診から8週間後 | オンライン /対面 |
3回目と同様の測定・問診/禁煙の習慣化に向けたカウンセリング |
| 5回目 (最終回) |
初診から12週間後 | 対面 | 最終的な喫煙状況の確認/呼気一酸化炭素濃度の測定/禁煙継続に向けたアドバイス/医師の判断による治療終了 |
ウェルスリープクリニックでは、初診と最終回(5回目)は対面での受診となりますが、2〜4回目についてはオンライン診療にも対応しており、通院の負担を抑えながら継続しやすい仕組みになっています(もちろん、2〜4回目も対面での受診が可能です。)
5回目の通院をもって保険診療としての禁煙外来は終了となりますが、その時点で禁煙が達成できていない場合や、継続的なフォローが必要と医師が判断した場合は、保険適用外(自費)での継続診療となるケースもあります。
費用の目安(3割負担の場合)
ウェルスリープクリニックの禁煙外来では、禁煙補助薬にニコチンパッチ(貼り薬)を使用しています。保険適用(3割負担)の場合で、初診時の費用を計5回の費用は以下の通りです。
| 通院回 | 自己負担額の目安(3割負担) |
|---|---|
| 初診(1回目) | 約2,510円(処方代を含む) |
| 初診〜最終回(5回目)までの合計 | 約9,840円 |
| ※平日18時以降、土曜12時以降、祝日(終日)の受診については、上記に加えて別途夜間早朝管理料150円が診療毎にかかります。 | |
| ※保険適用外(自由診療)の場合は全額自己負担となります。 | |
| ※上記は自己負担3割の場合の目安です。負担割合により金額は変動します。 | |
禁煙治療で使われる薬について
禁煙補助薬には、皮膚に貼るタイプの「ニコチンパッチ」と、内服するタイプの薬があります。ウェルスリープクリニックではニコチンパッチを使用しており、皮膚から少しずつニコチンを補うことで離脱症状(イライラ・集中力の低下など)を抑えながら、無理なく禁煙を進めていきます。
ニコチンパッチは、治療期間を通じて同じ容量を使い続けるのではなく、段階的に容量を減らしながら使用します。皮膚から補うニコチンの量を少しずつ減らしていくことで、離脱症状(イライラ・集中力の低下など)を抑えながら、体を慣らして無理なく禁煙を目指せる仕組みです。
| 期間 | 使用するパッチ |
|---|---|
| 1週〜4週 | 高用量パッチ |
| 5週〜6週 | 中用量パッチ |
| 7週〜8週 | 低用量パッチ |
| 9週〜12週 | パッチなし(経過観察) |
まとめ
禁煙治療は、条件を満たせば健康保険を使って始めることができ、自己負担を抑えながら医師のサポートを受けられる点が大きなメリットです。「何度も挑戦したけれど続かなかった」という方こそ、医療機関のサポートを受けることで禁煙のハードルを下げられる可能性があります。まずはご自身がブリンクマン指数やTDSの条件に該当するか、医師へ相談してみてはいかがでしょうか。
参考文献
- 日本循環器学会・日本肺癌学会・日本癌学会・日本呼吸器学会「禁煙治療のための標準手順書 第8.1版」(2021年)
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「禁煙治療ってどんなもの?」
- 日本禁煙学会「ニコチン依存症管理料情報」